久々に書いたものなんでかなり稚拙なところがあるかと思いますが、読んでいただけるとうれしいです。

このSSにはいくつかの前提があります。
1.セイバーENDの後の話。
2.でもセイバーの好感度はあまり高くなかった。
3.美綴の好感度が非常に高い。(誰のSSかバレバレ)
以上のことを踏まえて読んでください。よってネタばれ(セイバーENDについて)を含みます。まだの方はあまり読まないほうがいいかも…。

覚悟ができた方は下へどうぞ。




















She,and she.


原因は今日の昼休みである。
いつものように昼食を生徒会室で食べようと思い、手製の弁当を持って教室を出ようとしたが…。
いきなり見知った顔に道を塞がれた。美綴だ。
「衛宮、今日の放課後、弓道場にきてもらえないか?」
―――今日の放課後…、予定は特にないな。
「おう、別にかまわないぞ。」
「ふむ、そうか。じゃあ、放課後弓道場で。」
「ああ。」

放課後。
弓道場の目の前である。
だが、中で練習している気配がない。少し気になる。

弓道場の中に入る。
そこには弓道着を身に着け、正座している美綴がいた。
―――その姿は今はいない彼女のことを思い出させた。
「どうしたんだ、衛宮。ぼーっとして。」
頭の中の彼女の姿を振り払う。
「そういえば、みんなは?誰一人いないけど。」
「今日は練習休みなのさ。」
「そうか。で、俺をここに呼び出した理由は?」 「久々に衛宮の射が見たくなったのでな。見せてもらえないか?」
「かまわないよ。弓は、まだ俺のあったっけ?」
「ああ。ほら、引っ張り出しておいたよ。」
美綴から弓と矢を受け取り、射場に立つ。
一回深呼吸。
美綴が後ろから見ている。
―――緊張するな。
目を閉じる。
―――同調、開始(トレース、オン)
イメージを描く。弓の八節にあわせ自らのイメージを。必ず的に当たるそのイメージを。それはまさに、強化を成すが如く。
―――同調、完了(トレース、オフ)
矢を放つ。
確かめるまでもない。それは的の中心へとまっすぐに飛んで行き、貫いた。
「いつものことだが、やはりお前の射はすごいな。」
「そんなことはないと思うな。きっと、いつかはみんなできるようになると思う。」
美綴にも、きっと。
「ふむ、やはり私はお前に聞かなければならないことがあるな。」
…美綴、自己完結してるよ?
「なあ、衛宮。率直に聞こう。お前、最近まで女がいたな?」
「……。」 ―――なんで、そういうことを聞くのか。
「図星のようだな。」
「…なんでわかった?」
「えっと、それはだな…。」
めずらしい、美綴があわててる。
「最近のお前の様子を観察していたんだ。」
「へっ?」
我ながら間抜けな声。思考が止まる。
「お前は自覚がないだろうが、お前は時々外を見ているんだ。
その目が、女が男と別れた後とまったく同じに見えたのさ。」
「……。」
「なあ、衛宮。私はお前に何があったのかは知らない。
でも、お前がそういう目をしていると私も困る。」
「なんでさ?」
「なんでって聞かれても…。」
また美綴があわててる。
「あー、ここまでお前が鈍感だったとはな。
いいか、衛宮。率直に言うぞ。
私は、お前のことが好きだ。」
「へっ?」
二度目。今度のは致命傷みたいですよ?
美綴も自爆したみたいな顔になってる。
「な、なんでさ?」
「実言うとだな、私は一年のときからお前のことを見ていた。
どうしてあいつはあんなにきれいに弓を扱えるのかずっと見ていたんだ。
そしたら、いつの間にか…、これ以上話させるなよ!!!」 美綴の顔は真っ赤だ。もう爆発しそう。
―――ずっと、見ていてくれたんだ。
「ありがとう、美綴。
俺さ、確かに心から好きになった人がいたんだ。
でも、その子はもうここにはいないんだ。
彼女の代わりを求めるわけじゃない。
でも、俺の事をずっと見ていてくれた美綴、いや綾子にそばにいて欲しい。」
それが答え。
「衛宮、いや士郎!!」
美綴が抱きついてくる。それを受け止めると、その唇にそっと自分の重ねた。

夕日が照らしている。
…それは、まるで。
彼女と別れた、あの朝を思い出させた。
でも、それは思い出。
これからは彼女とともにこの道を歩いていく―――。

―Fin―


後書き。

首吊ってきます。

衛宮×美綴サイコー!感想とかありましたら掲示板にどうぞ。

[PR]動画